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遊磨正秀(ゆうま まさひで)
龍谷大学理工学部
環境ソリューション工学科
教授,理学博士(京都大学)
YUMA, Masahide
Professor (D.Sc.),
Dpt. Environmental Solution Technology
Fac. Science & Technology, Ryukoku Univ.
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PROFILE     updated : April 04, 2005     for English, please click here

動物の場所利用と群集構造−水界を中心に−

 私は,水界の動物を対象に,多様な動物群集の成立要因,ならびに人為的活動とそれに対する動物群集の応答について,各種各個体の具体的な場所利用に注目しながら研究を進めています。これらの研究は,近年社会的に必然のことになってきた生物多様性あるいは自然環境の保全や復元の技術開発の基礎となるものです。
 限られた空間に複数種の複数個体が生息している場合,そこにはさまざまな種間・個体間の相互作用が見られます。その相互作用の一つに,その場における種類数や個体数を増加させるような協調的(共生的)関係があります。私の場合,タンガニイカ湖やマラウィ湖の魚類を用いて,各個体の場所利用と同種・他種個体との相互干渉を調べ,近隣の他個体の存在が種数や個体数を増やす作用や,底生動物とそれを食べる魚類の間の相互作用の解析に挑戦してきました。近年は,日々目前の琵琶湖を眺めながら,琵琶湖の動物群集についても思いを巡らしています。その折,熱帯のタンガニイカ・マラウィ湖や寒帯のバイカル湖と対比してみるといろんなアイデアがわいてきます(コイ類vsシクリッド類/カジカ類,カワニナ類vsトゲカワニナ類など)。
 琵琶湖に限らず,あらゆる水系において人為作用に伴って生物群集は変化します。とくに,水を使う水田農耕が発達してきた日本では,水田という浅い湿地,その周囲の用排水路網,ため池などの人為的水系が平野部から山麓部まで広がり,天然の湿地に代わって,一群の生物群集を保ってきたばかりでなく,人による水系の維持管理が,ある種の環境撹乱作用に相当し,それによってむしろ多様な生物群集が保たれてきたようです。ホタルや小魚類の多くはそのような場所に依存して暮らしてきました。そのような意図せざる人の営みと生物の応答について,さらにそのような自然環境の中ではぐくまれてきた自然に関する文化についても研究を進めています。

研究内容を示すキーワード:動物群集,多様性,場所利用,個体間相互作用,協調的関係,琵琶湖,マラウィ湖,タンガニイカ湖,バイカル湖,人為作用,稲作文化,河川,水路,中規模撹乱,身近な自然


Copyright 2005 M.YUMA