概要

教育・研究の理念と目的

 新時代に相応しい教育研究環境を整え、わが国における学術文化の一層の発展に寄与することを目的として、龍谷大学理工学部が平成元年(1989年)に瀬田学舎に設置されました。環境ソリューション工学科は、この理工学部における新たな展開を図るべく設置された学科です。生態学についての深い理解を基盤におき、さらに理工学の専門的な知識を活かすことにより、環境の保全と持続可能な社会の構築に貢献する人材を育成することが環境ソリューション工学科を設置した目的です。
 これまで、日本において大きな社会問題として位置づけられてきた環境問題は、生命財産に直接被害を及ぼす公害問題でした。そしてこのような公害問題に対して、工場や都市域から発生する汚濁物質をいかに工学的に処理するかが課題でした。しかし、現在、解決が求められる環境問題は、地球規模へと広がっており、また野生生物の保全といった自然環境、さらに人間生活においてはアメニティの確保といった広範囲な分野を対象とするようになってきました。
 このような状況において、今後、広範な環境問題への対応を図るには、森林や湖沼といった自然環境、生態学に関する広い知識と、廃棄物処理や廃水処理などの目的解決型の基礎的な知識との融合が求められます。
 すなわち、工学的な手法により人間生活の改善を図る場合において、その行為が生態学的にどのような影響を与えるかを十分に理解している必要があります。また、開発行為の是非についての判断や開発方法の選択にあたっては、森林や湖沼に関する生態学的なデータの調査分析・蓄積とともに、工学的なセンスをも身につけた総合的な視点が重要となってきます。

環境ソリューション工学科の理念と目的

 今後、環境問題に対処していくためには、生態系の知識とともに処理技術に係わる知識を熟知していることが重要になってきています。たとえば、現在問題となっているダイオキシンの問題は、非常に微量な物質がゴミの焼却炉から環境中に排出され、生物濃縮を経て魚などを通じて人間の体内に蓄積されていくものです。このような問題に対処するためには、自然界の状況の把握と具体的なゴミ焼却炉の改善のための技術が必要となります。また、環境ホルモンの問題は重要な問題ですが、まだその全貌は明らかになっていません。今後も環境問題については、新しい問題が次々と出てくる可能性があり、それらの問題解決には、これまでの学問、研究における充分な知識とともに、新しい問題を解決していく創造的な対応能力が必要となってきます。
 環境ソリューション工学科は、これまでの都市環境工学的な知識と生態学的な知識を体験的に身に付け、今後の環境問題に積極的に取り組み、創造的な問題解決に必要な人材を育成していきます。本学科の名称にあるソリューション(解決)とは、このような創造的な問題解決を行うことが出来る人材育成を目指していることを意味するものです。
 本学科では、これまでの都市環境工学を基礎とした「エコロジー工学」と生態学を基礎とした「生態環境マネジメント」の2分野を置いていますが、両分野とも既存の都市環境工学や生態学ではなく、都市環境工学は自然系を取り込んだ形で新たに編成され、生態学も人間社会を取り込んだ形で新たな展開を図り、さらに両分野を統合していくことを目標としています。

→エコロジー工学について
→生態環境マネジメントについて

年報の配布について

環境ソリューション工学科では、学科の活動を年次ごとにまとめた年報を作成しています。